Last Sound




それから30分後。



「失礼しまーす」

と、声が聞こえたかと思うとガラッと部室のドアが開いた。



「あ!お兄ちゃん!」

開いたドアから顔を覗かせたのは美雪とそっくりな顔だちをした若い男の人。

この人がバードか。



「よお!美雪。

……久しぶりだな、エトー」


この言葉を聞いて思わず吹き出した俺。

だって学生時代にもエトーは『エトー』って呼ばれてたんだろ?

面白いじゃん、どう考えても。



「…何が久しぶりだ?」

え?エトー?

どうしたんだよ、いったい。


久しぶりの再会を喜ぶのかと思えば、

エトーはなぜかかなり怒っていて。



「何年ぶりだと思ってんだよ?

人が散々連絡したのに全部無視しやがって。


あ?言い訳、してみろよ」


「…悪かった」


美雪のお兄さんはエトーに頭を下げる。


おいおい、なんだよ、この展開。

美雪と俺は顔を見合わせ、じっと黙って待機。



「言い訳、しないのか?」


「しない。

だって俺が悪かったんだから」


カ、カッコイイ…

カッコよすぎるだろ!その潔さ!








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