Last Sound
「あ、そうだ。
美雪、これ」
お兄さんはDVDを美雪に渡す。
「マジで持ってきたのかよ…」
「懐かしいだろ。
何イヤがってんだ。
あ、ところでキミは?」
突然、俺に話が振られて慌てて自己紹介。
「エトーの教え子の渡辺波瑠斗っす。
美雪にはうちのバンドでボーカルやってもらってます」
「へー
エトーの教え子か。
お前もちゃんと、センセ、やってるんだな」
悪戯っ子のような笑顔でエトーを見るお兄さん。
「うっせーよ」
と、照れくさそうなエトー。
付き合いは3年にもなるけど、
なんだか今日のエトーは新鮮だ。
「セット完了!
じゃあ流しまーす」