Last Sound




「今のは…うん、そうだな。

愚問、って言うんだよ、波瑠斗」


「え?!」


「だから、俺に聞くに値しない質問だ、ってこと」



え…それって、

俺たちじゃ不可能、ってこと?



「バーカ

何泣きそうな顔、してんだよ。


お前らなら、できるよ。

と、いうか俺らを超えるライブができると思う」


「え?!お前らってそんなすごいのか?!」


エトーの言葉にバード先輩は驚く。



「あと5分もしたら全員揃う。

そしたらコイツらの演奏、聴いてみろ」


「やったー!

聴いてみたかったんだよなー、美雪の声も、波瑠斗くんたちのバンドも!」


バード先輩は興奮している様子。


だけど俺は、エトーの言葉に感動していた。

だって


『俺らを超えるライブができると思う』

って、すげー嬉しいじゃん。


エトーの作ったバンドは

本当に良くて。


息がピッタリで、

誰もが全身で『音楽』を楽しんでるのが伝わってきて、

技術面も完璧で。


そこにいるすべての人を釘付けにする、

そんなバンドだったんだ。


それを超えられる、

って例えそれがお世辞だとしても。


それでも俺は嬉しかった。








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