Last Sound
「で、どうなったんだよ?!」
楽が身を乗り出す。
「ん?まあそりゃあ、俺の言葉に逆上した丸山にこっぴどくお説教うけたよ。」
「よくそれで軽音部作れたね…」
朝陽がひきつった笑顔を見せる。
「うん、まあな。
そこに生徒会会長が現れたんだ」
「え?!会長が?!
私、そんなの聞いてないですよ…」
美雪が寂しそうな声を出す。
まあ、そうだろうな。
会長に口止めさせてもらったし。
「それで、会長くんが言ってくれたんだ。
生徒手帳に従って署名も僕の許可も下りたのに、部活を作らない、
っていうのはルールを無視することになると思うんですが、
それは生徒の模範になりませんよね?
ルールを守れ、っていうあなた方がルール違反を犯す、なんて。
って言ってカッコ良く決めたんだ。
それで、無事に軽音部創設。
な?エトー」
「おう、その通りだ」
そう言うと美雪が目をキラキラに輝かせて言う。
「会長…やっぱりカッコイイなあ」
え?
「もしかして、美雪…会長くんのことがスキなのか?」
そう聞くと美雪が笑って言った。
「あ、そうだ。
先輩たちに言うの忘れてました。
私、会長と付き合ってるんです」