Last Sound
教師として
◆エトー目線◆
ずっと、
ずっと、
ずーっと、思ってたことがある。
それは、波瑠斗に
『軽音部を作りたい』
そう言われた、あの日からずっと思ってたことだ。
『………ああああー!!
マジでなんかいい案ねーのかよっ!』
こんなふうに、苦しんでいるアイツを…いや、アイツらを、
俺はどうしたら楽にしてやれるんだろうか。
俺は、必要なんだろうか。
俺は…何をしてやれるんだろうか。
波瑠斗たちが軽音部を作ったとき。
確かに校長と話す機会を作ったのは俺だ。
だけど、アイツらがやろうと思えば、
俺を通さなくたって校長に直談判することはできただろう。
署名活動だって、
俺の知らないところで、
勝手に行われて、
気づいたら生徒会まで話が通ってて。
俺が…コイツら軽音部のためにしてやれることと言えば
唯一『怒られること』
それだけしか、俺にはできない。
俺…お前らの力になりてーよ。
だって俺、お前らの先生なんだ。
お前らは俺の…かわいい生徒なんだ。
だから俺は、お前たちの力になりたい。