Last Sound
「…あの、少しお時間よろしいでしょうか」
「あ、工藤先生ですか。
学際まで時間ないので忙しいんですが」
「少しでいいので付き合っていただけませんか」
「…分かりました。
手短にお願いしますよ」
職員室でデスクワーク中だった丸山先生に声をかけ、
俺はあるところへ向かった。
「…なんで校長室ですか?」
そう後ろで言っている丸山先生を無視してドアをノックする。
「どなたですか?」
「工藤です。
入ってもよろしいでしょうか」
「…どうぞ」
返事を確認して校長室に足を踏み入れた。
「丸山先生も一緒でしたか。
で、ご用件は?」
…よし、始めよう。
ここから俺の『教師』としての闘いが始まる。
やるぞ、工藤。
お前がやらなきゃいけないのは、
きっと…
多分…
いや、絶対に…こういうことだったんだと思う。