Last Sound
ギタリスト
「よぉー
元気かぁ?波瑠斗ぉー」
「おーっす。
なんか拓馬、すげぇー寝ぼけてんな」
次の日の朝。
いつもの半分も目が開いていない拓馬が登校してきた。
「なぁ、拓馬。
お前、友達多いよな?」
今にも寝そうな拓馬を無理やり起こす。
「え?うん。
それなりにはいるけど…」
「その友達の中にさ、楽器やってるヤツいね?」
1クラスずつメンバーを探しに回ってもいいが、
それじゃあどうしても時間がかかる。
タイムリミットはあと1ヶ月。
できるだけ時間はムダにしたくない。
そこで考えたのが拓馬の力を借りることだ。
「楽器やってる友達?
いっぱいいるぞ」
「マジか!
そいつ、なんの楽器やってんの?」
さすが拓馬!
持つべきものはやっぱり友達だな!
「えーっと、トランペット、ヴァイオリン、フルート、あと…」
「ってそいつら全員、吹奏楽部だろ!」
はぁ…やっぱそう簡単には見つかんねぇーのか?