Last Sound
それから怒涛の日々が始まった。
クラスでの出し物の準備。
そして軽音部の演奏。
毎日忙しくて。
多分、高校の3年間の中で1番、充実していたと思う。
そしてアイツに進展があったのだ。
「…いやあ、その、澪と今メールで盛り上がってて」
珍しく楽が照れたように頬を赤くしてそう呟く。
時間は午後6時。
場所は部室。
今、ここにいるのは俺と楽とエトーの3人だ。
「ひゅー!
いいじゃん!いいじゃん!
そのまま告っちゃえよー!」
意外にも楽は肉食系らしく、
俺にはとても真似できないくらい澪にアタックしている。
もしかしたら、薄々だけど楽の恋心に澪は気づいてるんじゃないか。
なんて思う時も楽の報告を聞いているとたまにある。
「うっせーなあ!
告白は俺のタイミングでするから黙っとけよ」
「分かってるよ」
「で、そっちはどうなんだよ?
エトーセンセ?」