Last Sound
「……そう、ですか。
分かりました。
いろいろ言ってすいませんでした。
それじゃあ」
『ごめんね、波瑠斗くん』
「…いえ、失礼しました」
通話終了のボタンを押す。
「なあ、波瑠斗」
「まあ待てよ、楽。
お前の言いたいことは分かってるから」
多分、エトーになんて伝えるか、って話を楽はしたいんだろう。
「…エトー、ケータイ、返すよ」
ケータイを差し出す俺を見つめるエトー。
「あの、残念だけど言えないんだ。
元カノさんがエトーをフった理由は。」
「…まあ、そんなことだろうとは思ってたけど」
ケータイを受け取ったエトーは立ち上がり、イスに座った。
「だけど、エトー。
迎えに…行ったら?」