Last Sound
「あー…工藤せんせ?
俺たちはここまでしか言えないけど、
まだ2人とも想い合ってんじゃん?
それなのに諦めるのか?
いいの?エトーはそれで。」
できるだけエトーを刺激しないように
そっと声をかける。
「波瑠斗。
俺には無理だと思う」
はあ?
何言ってんだ?エトーは。
「何イジイジしてんの?」
「俺はイジイジなんて…っ!」
「いや、してるよ。
なあ?楽」
「ああ、してる」
エトーは何か言いたげな顔だったか、
でも黙り込んで机に突っ伏す。
「まあいいよ。
そうやってずっとやってればさ。
ただ1つ、最後に言わせろよ。」
チラッとエトーが俺を見た。
「彼女さんのお腹の中にエトーの子供がいる」