Last Sound
「あ、見つけた」
突然、図書室の入り口から声がして。
俺と拓馬の顔が凍る。
だって今の声…
「よお、波瑠斗、拓馬。
こんなところでなーにやってんだ?」
エトーの声じゃないか。
「まあまあ、エトー。
怒るなよ。今から教室行こうと思ってたところでさ。」
「ウソだな。
俺が来なかったらずっとここで遊んでるつもりだったくせに」
さ、さすが、エトー。
俺たちのこと、よく分かってんじゃねーか。
「悪かったよ。
今から戻るから。
な?波瑠斗」
拓馬の言葉に大きく頷いてみせる。
「当たり前だ。
クラスのヤツら、自分たちが頑張ってた間、お前らが青春ドラマもどきのことやってた、って知ったら怒るだろうな」
エトーはニヤッと笑う。
「って!エトー、見てたのかよ!」
「あ?たまたま見えたんだよ」
なんだよ、それ。
いたなら最初から言えってーの。
そしたらあんなやり取り、絶対しなかったのに。