Last Sound
かくして、俺と拓馬、楽は一緒に行動していた。
朝陽も澪も美雪も、今日はいろいろと忙しいらしく、教室で頑張っている姿を見た。
「…なあ、あれ、エトーだよな?」
廊下の端。
エトーの後ろ姿を拓馬が捕らえた。
「一緒にいるのって…女の人?」
「ああ、多分」
俺と楽は顔を見合わせた。
実はあれからエトーと元カノさんがどうなったのか知らないのだ。
学際の準備が忙しく、聞くヒマがなかった。
俺たちはそーっと近づいて、
「あ、どうも」
と、エトーと一緒にいた女の人に頭を下げる。
「うおっ?!
なんでっ!お前らっ!」
エトーの焦りっぷりったら尋常じゃねーんだから。
にしても、この女の人、キレイだな。
電話越しのあの声とイメージがピッタリだ。
「もしかして、波瑠斗くん?」