Last Sound
「あなたは…何か楽器できるんですか?」
俺の質問には答えをくれず風間朝陽は質問返し。
「え?俺?
一応…3年くらいエレキギターやってるけど」
「…そうですか」
それからしばらく黙り込む風間朝陽。
そして
「ごめんなさい。お断りします」
そう言ったのだ。
「なんで?!なんでダメなの?!」
思わず風間朝陽に詰め寄ってしまった。
「え…いや…受験生だし…」
はぁ…とため息をつきたかったが
ギリギリでふぅーと息を吐き出すことに変更した。
「ね、風間さん?
キミ、なんでギター始めたの?」
朝のホームルームが始まるまで残り5分。
それまでに絶対、風間朝陽にうん、と言わせてやる。