Last Sound






「あなたは…何か楽器できるんですか?」


俺の質問には答えをくれず風間朝陽は質問返し。




「え?俺?

一応…3年くらいエレキギターやってるけど」


「…そうですか」


それからしばらく黙り込む風間朝陽。

そして



「ごめんなさい。お断りします」


そう言ったのだ。



「なんで?!なんでダメなの?!」

思わず風間朝陽に詰め寄ってしまった。



「え…いや…受験生だし…」


はぁ…とため息をつきたかったが

ギリギリでふぅーと息を吐き出すことに変更した。



「ね、風間さん?

キミ、なんでギター始めたの?」


朝のホームルームが始まるまで残り5分。

それまでに絶対、風間朝陽にうん、と言わせてやる。






< 21 / 223 >

この作品をシェア

pagetop