Last Sound




散々、俺たちに冷やかされたエトーは照れたように沙希さんと見つめあっていて。



俺にもいつか、一生俺が守る。

そう思えるような人に、出会えるんだろうか。


幸せそうな2人を見ていると

好きな人がほしくなる。



ちくしょう。

俺の春はいったいいつ訪れるんだ!



「あ、そうだ。

今日のライブ、頑張ってね!


私、見に行くから!」


「はい!ありがとうございます!」


沙希さんとエトーは人ごみの中に消えていく。



「俺、沙希さんみたいな彼女がほしい」

拓馬が呟く。


「キレイだったな。

エトーにはもったいない」


楽の言葉に大笑いした。

楽、毒舌過ぎだってーの。








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