Last Sound
「…なぁ、波瑠斗。
俺が今思ってること…言っていい?」
今は朝のホームルームが終わったあとの1時間目までの休憩時間。
「おう!なんでも言え!」
「………その顔、キモイ」
「ってめっ!!」
「いや、ちょっと待って!!」
殴りかかるような勢いの俺を手で制する拓馬。
「あのなぁ、波瑠斗。
お前、5組から帰ってきてからおかしいぞ?
ずーっとニヤニヤしっぱなしでさ。
その顔してたらキモイ、って言われても仕方ないぞ?」
「うるせーなー
いいだろ、いいことあったんだから」
嬉しいことがあったときくらい、
ニヤけたって文句言うなや。
「なんだよ?いいこと、って」
待ってました!拓馬くん!
俺はその質問を待ってたよ!
「実はな、お前が紹介してくれた…風間朝陽。
あの子、バンドに入ってくれることになったんだ…っ!!!」