Last Sound
「もーいい!
波瑠斗に協力すんの俺、やめた!
ベースやってるヤツ、知ってるけど教えてやんねぇから!」
「おい、待てよ!
分かった!ちゃんと話の続き、聞くから」
気になるだろ。
『才能がある』
って言われたら。
自分にどんな才能があるんだろ、って。
「……仕方ない。
特別に教えてやる!」
ム、ムカつく!
何故、上から目線なんだ!
と、心の中で呟きながらそれをグッと堪えた。
「お前には人の心の中に入り込む才能があるんだ!」
「……ごめん、拓馬。
やっぱ…病院行ってこい」
「なんだと!コラーぁ!!」
だってさ、俺にそんな才能あるワケねーだろ。
「あーもう絶対ベースやってるヤツ、教えてやんねぇーからな!」
しまった。
今度こそ、拓馬…怒っちゃった。