Last Sound
「あの…わ、私もついて行かなくちゃダメですか?」
1時間目が終わって俺は1組の前にいた。
「当たり前だろ。
大事な俺のバンドメンバーの一員なんだから。
それと、敬語やめね?
あ、もう1つ。
朝陽、って呼ぶから俺のことは波瑠斗、な」
「え…」
「え、じゃなくて分かった?」
「はい」
「はい?」
「あ…うん」
どうやら拓馬の言っていた
朝陽が極度の人見知り、っていうのは本当みたいだ。
今だって他のクラスの前でずっと恥ずかしそうに俯いている。
あれだけ順調に話せたのってやっぱ、奇跡だな。
「よし、じゃあ行くぞ」
そう声をかけると朝陽は俺に隠れるようにして後ろをついてくる。
こんなんで大丈夫か?
ステージに立ったら卒倒したりして。
ってそれは困るな、さすがに。