Last Sound
「なんでっ?!なんでだよ!
考えもしないでなんですぐに答え、出すんだよ!」
思わず声がデカくなった。
「うるさい」
そう冷静に言われ
「あ、すまん」
なんて素直に謝る俺。
「お前…なんていったっけ?」
「渡辺波瑠斗」
「あーそうそう。
波瑠斗さ、大丈夫か?
分かってんの?俺らが受験生だ、ってこと」
「当たり前だろ」
「なら今、そんなことやってる暇、ねーんじゃねーの?」
そこで初めて坂下楽は顔を上げて俺を見た。
「今、この瞬間だってライバルたちは必死で1問でも多く、問題を解こうとしてる。
そんなときにお前は部活作る、とかバンド組む、なんて言うのか?」
確かにコイツの言ってることは何一つ、間違ってない。
むしろどちらかと言えば俺が間違ってる。
けど。
だけど。
「なんだよ、それ。
やりたいことやって…やろうとして、何が悪いんだよ。
俺は、やる前からできない、って決めつけたり
何もかもマイナスに考えたりすんの、
1番キライなんだよ。
誰になんと言われようが俺は軽音部、作るんだ」