Last Sound
「…10分、経ったな」
「うん、そうだね」
俺たちはギターを机の上に置いて、溜め息をついた。
だって楽が来てくれると思ったのに、結局来なかったんだから。
「どうするの?波瑠斗くん。」
「どうしようか。
あ、そうだ。
拓馬、ちょっと1組見てきてくれよ」
「了解」
拓馬は教室を出て行った。
「にしても朝陽、うまいな。
正直、ビックリしたよ」
「まだまだだよ。
波瑠斗くんには及ばないもん」
照れたように少し頬を赤くする朝陽。
でも、朝陽のギターはかなりの腕前だった。
あそこまで弾けるだなんて思ってなかったし。
と、そこへ突然
「……おい、そこのバカ2人」
そんな声が聞こえた。