Last Sound
ドラマー
「あとはドラムだけだな」
ある日の授業後。
エトーの出した期限まで残り1週間。
未だにドラムだけが見つからない。
「そうだね。
楽くんは心当たり、ないの?」
朝陽はやっと楽に慣れて
今じゃ普通に話せるようにまで成長した。
「ああ、そのことなんだけど」
楽はそこで言葉を切る。
何もったいぶってんだ?
「1人、いるんだ。
ドラムできる、ってヤツ」
「マジかよ?!
なんでそれ、早く言わないんだよ!」
「いや、それがワケ有りで。
俺、1回言ってみたんだ。
うちのバンドでドラムやらないか、って。」
「そしたら?」
はぁ…と1つ溜め息をつくと楽は言った。
「即答で無理、だってさ」