Last Sound





「にしてもこの部屋、すごいなぁ」


泣きやんだ澪に俺が言う。



「でしょ?

おばあちゃん、この辺の地主らしくてお金持ちだからさ。


孫のあたしに幾らでも使ってくれるの」


そう言って笑う澪。


あれ?

でもちょっと待てよ?


確か朝陽の話だと、

澪は孤児院に預けられてそこを卒業する間際にすごいお金持ちの老夫婦に引き取られたんだよな?

だとしたら、澪が孫、っておかしくないか?



「どうしたの?波瑠斗。

なんか考え事?」


そう澪に言われ、言うのを躊躇う。



「なあ、ヘンなこと聞いていいか?」


「え?ヘンなこと?」


怪訝な顔をする澪におかまいなしに俺は疑問をぶつけた。

って、ちょっと無神経か?



「澪とここの老夫婦ってどういう関係なんだ?」








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