Last Sound
「え?だからさっきも言ったじゃん。
あたし、おばあちゃんとおじいちゃんの孫だよ」
「だけど、ウワサだと
孤児院でる直前にお金持ちの老夫婦に引き取られた、って」
ああ、と呟く澪。
そしてなんでもない、みたいな顔してすごいことを言う。
「実はうちの親、再婚だったの。
あの父親は母親の再婚相手。
で、血のつながった本当のお父さんはあたしが小さい頃に事故で死んじゃっててさ。
それで、ここはその本当のお父さんの実家。
まあ孤児院に入れられてたのは、
おばあちゃんたちがあたしを受け入れる準備をするためだったの。
まあいろいろ複雑なんだよね」
「あ、ヘンなこと聞いてごめん」
いいのいいの、気にしないで、と澪は言う。
やっぱり、澪と俺たちじゃ抱えてるモノの大きさが違いすぎる。
だけど、俺たちは4人になった。
今まで澪が1人で背負ってきたものを、
4人で背負えばその重さはずいぶんと軽くなるんじゃないだろうか。
「明日から、ちゃんと毎日学校行くから。」
俺たちが帰ろうと準備をしていると澪が呟いた。
「分かった。
じゃあまた明日、学校で」
「教室で待ってるから」
「休み時間、遊びに行くね」
こうして、無事にバンドメンバーは集まった。
さあ、闘いはここからだ。
気合い入れていかないとな。