Last Sound
「で、コイツが1組の坂下楽。
担当はベース。」
「キミが楽か。
よろしくな」
ニカッと笑うエトー。
ムカつくくらい爽やかだ。
「で、こっちが知ってると思うけど
5組の風間朝陽。
担当はギター。」
「朝陽ちゃん。
キミ、なかなかギターセンスあるよ」
そうエトーに言われ照れる朝陽。
「んで最後が1組の不登校生徒の辰巳澪。
担当はドラム。
めちゃくちゃうまいからな」
「不登校生徒、っていうのは余計だから」
澪に睨まれるが無論、気にしない。
「ああ、聞いてるよ。
辰巳澪、な。
不登校だけど頭、良いんだろ。
そうか。キミがドラムか。」
なぜか嬉しそうなエトー。
「なあ、波瑠斗」
「なんだよ?」
まだニヤニヤと顔の筋肉が緩んでいる。
「俺、やっぱお前を信じて良かったよ。
今、確信した。
お前のバンド、最高のバンドになる。」