Last Sound
「何言ってんだよ、エトー。
まだ俺たちの音、聞いたこともないくせに。
俺らですら、不安なんだぞ。
ちゃんと、バンドとして成り立つのかどうか。
それに、ここで終わりじゃないんだ。
まだ軽音部作る、ってことや学祭で演奏する、ってことを校長に認めさせなきゃならない。
だからまだ、笑ってられないんだよ」
「なんだ、波瑠斗。
珍しく真面目なこと言って」
「珍しく、じゃねーし。
俺、いつも真面目だから」
そんな俺の言葉を聞いてエトーは笑っている。
でも、マジで笑いごとじゃねーから。
メンバー集めは成功した。
でも着実に時計の針は進んでいて。
秋の学祭まで時間がない。
だからこそ、早く軽音部を作らなければ。
そうじゃないと、すべて、手遅れになってしまう。