Last Sound




「分かったよ、波瑠斗。

俺から1度、校長に言ってみるから。


だからそんなマジで怒るな、って」


「別に怒ってねーし」


そう。怒ってなんかいない。

ただ俺は、焦っているだけ。



「あ、そうだ。

1つだけ聞いていいか?


ボーカル、誰がやるんだよ?」


思わず4人で顔を見合わせた。

そうだ。忘れてた。


まだ誰が歌うのか決めてなかった。



「まあ、それはあとでな。

なんだったら俺が歌ってもいいし」


「バカ言え。

究極の音痴が。」


エトーはクククッと笑う。


「え?波瑠斗くんって究極の音痴なの?」

朝陽が首を傾げて俺は顔を真っ赤にする。


バラさなくてもいいだろ、エトー。

事実、俺、究極の音痴なんだから。







< 77 / 223 >

この作品をシェア

pagetop