Last Sound
「分かったよ、波瑠斗。
俺から1度、校長に言ってみるから。
だからそんなマジで怒るな、って」
「別に怒ってねーし」
そう。怒ってなんかいない。
ただ俺は、焦っているだけ。
「あ、そうだ。
1つだけ聞いていいか?
ボーカル、誰がやるんだよ?」
思わず4人で顔を見合わせた。
そうだ。忘れてた。
まだ誰が歌うのか決めてなかった。
「まあ、それはあとでな。
なんだったら俺が歌ってもいいし」
「バカ言え。
究極の音痴が。」
エトーはクククッと笑う。
「え?波瑠斗くんって究極の音痴なの?」
朝陽が首を傾げて俺は顔を真っ赤にする。
バラさなくてもいいだろ、エトー。
事実、俺、究極の音痴なんだから。