Last Sound




「待てよ、エトー。

直談判ってマジか?」


俺ではなく、これは楽の言葉。



「マジだよ、マジに決まってんじゃん。

お前らに残されたのはこの道だけだ。」


いや、普通に考えてさ。

校長、説得させるってかなりハードル高くねーか?



「なんだよ、お前ら。

そんな浮かない顔して」


誰だって浮かない顔もしたくなる。

こんな無茶な提案されれば。



「なんだよ、やる気なし、ってか?

じゃあもういい。


校長に会える機会、作らない。

よってお前らに協力するのは…」


「待って、エトー」


エトーの言葉を遮る澪。



「やってみようよ。

校長に直談判。


できないとは限らないじゃん。

確かに校長は堅物(カタブツ)だし、昭和な考え方しか持ってないし、ハゲてるけど」


いや、ハゲてる、は関係ないかも、だけどな。



「だけどさ、少しは生徒の意見、聞いてくれるかもしれないじゃん。

可能性が1ミリでもあるんなら、挑戦してみようよ。」


可能性が1ミリでもあるなら…か。



「よし、分かった。

やるだけ、やってやろう。


エトー、頼む。

俺たちを校長に会わしてくれ」






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