Last Sound
その日の帰り道。
やっぱり俺たち4人は一緒に歩いていた。
「にしても澪、変わったな」
「どこが?」
俺の横を歩く澪。
その瞳はキラキラと輝いていて。
俺が初めてあったときは、輝きを失って、霞んでいたのに。
「明るくなったよ。
初めて会った時より、ずっと。
もういろんなこと、ふっ切れたんだろうな、って思った」
「バカだなー、波瑠斗は。」
「なんだよ、バカって」
「だってさ、あたしが変われたのは、波瑠斗たちのおかげなんじゃん。
なのに明るくなった、なんてさ。
波瑠斗、バカだよ」
「はぁ?なんだよ、それ。
全然意味分かんねーし!」
「いーの!意味分かんなくて!」
澪はそう言って笑った。
でも、本当に良かった。
笑顔を取り戻してくれて。
チラッと目に入る楽の姿。
楽のヤツ…
思わずクスッと笑ってしまった。
だってさ、楽、今までにないくらい優しい瞳で澪を見つめていたんだ。
ま、このことは俺の胸の中にだけしまっておいてやるよ。