Last Sound
「キミたちは、あくまでもこの学校に通うイチ、生徒だ。
そんなキミたちに学校の心配なんてされたくない。
キミたちが心配しなくても、私はちゃんとやっている。
それにどんな言葉を言われようが、
私は軽音なんてもの、いっさい認めない。
分かったか?
分かったらさっさと出て行きなさい。
私は忙しいんだ」
そんな言葉にエトーが従って出て行こうとする。
でも俺たち4人はいっさい、動かなかった。
「何をしているんだ?
工藤先生、早くこの4人を連れて行きなさい」
「はい、すみません。
おい、おい!
お前ら、早く行くぞ」
エトーの焦ったような声。
でも、ごめん、エトー。
俺たちは出ていかないよ。
「なんなんだ、キミたちは。
なぜ出て行かないんだ?」
「分かんないからですよ」
校長の眉毛がピクッと動く。
「何を言っているんだね?」
「先生が言ったんじゃないですか。
分かったら出て行け、って。
でも俺たち、校長の言ってること、全然分かんなかったんで、出て行かないんですよ」
俺の何かが壊れていた。
よって、校長相手にこんな堂々とした態度がとれたのだ。