Last Sound





「キミたちは、あくまでもこの学校に通うイチ、生徒だ。

そんなキミたちに学校の心配なんてされたくない。


キミたちが心配しなくても、私はちゃんとやっている。


それにどんな言葉を言われようが、

私は軽音なんてもの、いっさい認めない。


分かったか?

分かったらさっさと出て行きなさい。


私は忙しいんだ」


そんな言葉にエトーが従って出て行こうとする。

でも俺たち4人はいっさい、動かなかった。



「何をしているんだ?

工藤先生、早くこの4人を連れて行きなさい」


「はい、すみません。


おい、おい!

お前ら、早く行くぞ」


エトーの焦ったような声。

でも、ごめん、エトー。


俺たちは出ていかないよ。



「なんなんだ、キミたちは。

なぜ出て行かないんだ?」


「分かんないからですよ」


校長の眉毛がピクッと動く。


「何を言っているんだね?」


「先生が言ったんじゃないですか。

分かったら出て行け、って。


でも俺たち、校長の言ってること、全然分かんなかったんで、出て行かないんですよ」


俺の何かが壊れていた。

よって、校長相手にこんな堂々とした態度がとれたのだ。






< 88 / 223 >

この作品をシェア

pagetop