Last Sound
「まあそこ、座れよ」
初めて入った進路指導室は1つの机と2脚のイスが置かれた殺風景な部屋。
窓があるがかなり小さく、なおかつ今はカーテンが閉まっている。
こんな部屋に3日もいたらまず気狂うな、うん、確実に。
入り口に近いほうにエトーが。
その向かいに俺が座る。
エトーは腕を組み、目を閉じて黙りこむ。
マジかよ。
マジかよ。
マジ、やべーじゃん!俺!
「エ、エトー?
なんで俺、呼ばれたんだよ?」
「あ?」
エトーは不機嫌な顔でポケットに手を突っ込む。
さぁ、そっから何が出てくる…?
「これ、どういうことだ?」
え…?
「これ…進路希望の紙?」
「あ?見たら分かるだろーが。
目、見えなくなったのか?波瑠斗」
「はぁー?
なんだよー、それ。
マジびびって損したー
寿命縮まっただろー、エトー」
急に力が抜けた俺はふぅーと大きな息をついた。