キラキラしたあなたへ
杏奈も私達に気づいて、手を振っている。
でも、太陽みたいなあの笑顔はない。
理由…
私がいるから。
私は、杏奈の笑顔まで奪ってしまったんだと悲しくなった。
杏奈との距離が縮まって、杏奈は私達の方まで走ってきた。
「……ぉ早よー。えな。はるな。ゆうこ…」
最後の、ゆうこの声はかなり小さくて。
無言で、私の隣に杏奈はきた。
2人の間に、気まずい空気が流れているのを、感じたのか、えながしゃべった。
「ああ、クラス割りが張られてんじゃん!見に行こうよっ!」
さすが、えな。
さりげない行動と全体を見渡せる目。
中学でも、学級委員とかに選ばれるんだろうな。
「えな、さすがじゃん」
と、小さく杏奈がつぶやいた。
そして、私達は、中学校の門をくぐり抜けた。