キラキラしたあなたへ


「杏奈ーっ!!杏奈ーっ!!」

何度、叫んでも杏奈はいない。


たくさんの人ゴミの中を私は、ひたすら杏奈を探す。

たくさんの人と何度もぶつかりながらー。

こういう時に、背が高いのは、役に立つ。
奥が見えるから。


混雑という程、人はいないけど、人はたくさんいる。

お父さんに買ってもらった、卒業式用の服はしわくちゃになった。

お父さんごめんね。


杏奈ー。

優しくて、可愛くて、
私の憧れで。

そんな、杏奈とこのままお別れして、中学校に行くのは、どうしても嫌で。


ひたすら、人ゴミの中を私は走り続けた。


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