シャーペンと君とあたし




「鈴っ!」


美奈の大きい声にビクッて肩が上がる。

その声に、店にいるほとんどの人が
反応したんじゃないかって思う。


背中に沢山の視線が刺さって、痛い。





だけど


「傷付けちゃってゴメンねぇ…」


振り向いたときに交わった美奈の目は
真っ直ぐ、あたしだけを見てる。



「あ…えと…」


答えは決まってるんだけど

“うん”でも“ううん”でもなくて



もっと、別の言葉…


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