シャーペンと君とあたし
「おい、これ返しとく。」
そう言って俊が差し出したのは、あたしが貸しっぱなしにしてた、シャーペン。
「まだ持ってていいよ?」
「いや、いーから。」
なんで〜?
アメリカ行くの来年の春でしょ?
まだ必要じゃん。
…まっ、いっか!
その都度、貸せばいーんだもんねっ!
俊からシャーペンを受けとる。
「使うとき声かけてね?
忘れちゃうかもしんないからさっ!」
「…お前、忘れんなよ。」
も〜。忘れる訳ないじゃんね?
クスッと笑みをこぼす。
─…あたしは、暢気すぎたのかもしれない。
今ココに、俊は居る。
明日また、俊に会える。
俊がいない明日なんて、想像できなかったんだ。
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