シャーペンと君とあたし
うー…。ほんとに椅子多いな。
あちらこちらが、パイプ椅子の銀色で染まっている。
少しずつ運んでたら終わらなさそうだし何個かまとめて持ってこーっと!!
「…4つくらいならイケルかな??」
ひとつ、またひとつと、手元で運びやすく折り畳んでいくパイプ椅子。
畳んでしまえば見た目はものすごくコンパクトで、木の椅子より断然軽そうに見える。
試しに腕を通して持ち上げてみると、
「おっ?!軽いじゃん!!」
思っていたよりずっと、重圧を感じなかった。
できることならこんな面倒なこととっとと終わらせて遊びたいし、5個いっちゃえ〜!
右手に3つ、左手に2つの椅子を抱えて、体育館倉庫を目指して歩きはじめる。
「……うっ」
─…最初は、余裕だったんだよ?