シャーペンと君とあたし



─ SIDE 俊 ─



「Please put your signature here,thanks.
(それでは、こちらにサインをお願いします。)」


フロントの女が、笑顔で記入用紙を渡してくる。


けど、用紙のみ。

こーいうのって、普通は書くもんも一緒に渡すだろ。


「おい。鈴、書くもん。」

手を差し出し、左側に振り返る。


…あ。やべ。


そう思った時には既に時遅し。


怪しい顔で俺をみてくる2人。

拓也と百合。




「俊、重症だな?」


口元を隠しながら話す拓也の横で、百合はクスクスと笑ってる。




< 280 / 309 >

この作品をシェア

pagetop