シャーペンと君とあたし
─ SIDE 俊 ─
「Please put your signature here,thanks.
(それでは、こちらにサインをお願いします。)」
フロントの女が、笑顔で記入用紙を渡してくる。
けど、用紙のみ。
こーいうのって、普通は書くもんも一緒に渡すだろ。
「おい。鈴、書くもん。」
手を差し出し、左側に振り返る。
…あ。やべ。
そう思った時には既に時遅し。
怪しい顔で俺をみてくる2人。
拓也と百合。
「俊、重症だな?」
口元を隠しながら話す拓也の横で、百合はクスクスと笑ってる。