シャーペンと君とあたし
コイツら、なんなんだよ。
「いーから書くもん貸せよ。」
「はいはい。」
百合が鞄を開けて中からボールペンを取り出す。
それを受け取って、サラサラと自分の名前を書き込んでいく。
「…行くか。」
記入し終わった用紙をフロントの女に渡して、俺らは、肩を並べて歩き出す。
日本に居る時は、想像すらしてなかった。
またコイツらと、ガキん時みてーに戻れるなんてな。
「俊。」
声のした方に体を向ける。右斜め後ろ。
…おい、歩くの遅そすぎだろ。
何でいつの間に、俺が1人でスタスタ歩いてんだよ。