シャーペンと君とあたし



俊の腕が後ろに回って、あたしの体を丸ごと包み込む。



…え?


「もう2度と、手放す気ねーから。」


耳元で、俊の声が聞こえる。



それって…

どーいう意味?


頭をよぎる、小さな、淡い期待。



体がゆっくりと離れて、再び交わる、俊との視線。


さらに高まっていく、あたしの心臓。









「好きなんだよ。お前が。」





< 303 / 309 >

この作品をシェア

pagetop