シャーペンと君とあたし



どよーんとしたオーラを放ちながら
宏人くんは流しに向かって歩いていく。


……あたしのせいですか?



「お前とどめ刺してんじゃねーよ。」


宏人くんの後ろ姿をみて
唖然とするあたしに俊から鋭い指摘。


やっぱり原因はあたしらしい…


うわっ どーしよー



「今のは完全に笑顔の凶器だろ。」


うっ─…


「あーあ、宏人かわいそ。」



立て続けに俊の毒舌を浴びせられて、



逆ギレモードのスイッチが


─…ONになる。



「何がとどめ?笑顔の凶器?
俊だって、俊だって…毒舌大魔王のクセにっ!」



ドアをバタンッと力いっぱい閉めて
足音をドスンドスン鳴らしながら流しに向かう。


あたしはちゃんと謝るんだから!


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