モザイク
「すまんなぁ、神宮寺。」
薄っぺらい言葉だった。
たまたま、そこに丹沢が通りがかった。
「木村さん、どうかしたんですか?」
「おお、丹沢か・・・。いやな、神宮寺のメガネがこの様でな・・・。」
レンズの抜けたメガネを、丹沢の前に差し出した。
「なるほど、じゃ、これは神宮寺のですね?」
丹沢も手を差し出した。そこには神宮寺のメガネにはまっていたと思われるレンズがふたつあった。木村はそのうちひとつを取り、フレームに重ねた。
「みたいだな。」
はめようと試みたが、さすがに無理なようだ。
「木村さん、レンズ割れちゃいますよ。」
「あ、あぁ・・・。そうだな。」
「ちょっと貸して下さい。」
丹沢はレンズとフレームを確認した。
「これなら修理出来そうですね。下手な事しない方が修理出しやすいですよ。」
「そうだな・・・。」
木村は言った。しかし、丹沢の話を聞いて、神宮寺は黙っていられなかった。
「おい、丹沢。このままにしておくって、今日、これからどうするんだよっ。」
「そんなのわかってるよ。だから、とりあえず仮で直しておくよ。」
「おいおい、今、修理しづらいからって言ったばかりだろう?」
木村は聞いた。
「だから、修理が容易なように仮で使えるようにするんですよ。まぁ、格好は悪いですけどね・・・。」
丹沢には考えがあるようだ。クスリと笑い、それからそう言った。
「神宮寺、ちょっとここで待っててくれよ。木村さん、研究室開いてます?」
「あぁ、開いてるぞ。じゃ、ちょっと直してきますね。」
丹沢は研究室に走っていった。
「ほら、これで少しはいいだろ?」
ものの五分もしないうちに、丹沢は戻ってきた。そしてメガネを神宮寺に手渡した。
「ありがとう・・・。」
メガネをかけてみた。少しいつもと視界が違った。神宮寺はメガネをはずし確認した。
「なんだ、これ・・・。」
メガネのレンズは真空パックにされ、その両端をセロテープで留めてあった。けっしてフレームにはめられているわけではない。そのせいで微妙に視点が変わり、神宮寺は違和感を感じたのだ。
「とりあえず、それでだいたいわかるだろ?文句言うな。」
「確かにだいたいわかるけどさ。もう少し格好良くできなかったのか?」
薄っぺらい言葉だった。
たまたま、そこに丹沢が通りがかった。
「木村さん、どうかしたんですか?」
「おお、丹沢か・・・。いやな、神宮寺のメガネがこの様でな・・・。」
レンズの抜けたメガネを、丹沢の前に差し出した。
「なるほど、じゃ、これは神宮寺のですね?」
丹沢も手を差し出した。そこには神宮寺のメガネにはまっていたと思われるレンズがふたつあった。木村はそのうちひとつを取り、フレームに重ねた。
「みたいだな。」
はめようと試みたが、さすがに無理なようだ。
「木村さん、レンズ割れちゃいますよ。」
「あ、あぁ・・・。そうだな。」
「ちょっと貸して下さい。」
丹沢はレンズとフレームを確認した。
「これなら修理出来そうですね。下手な事しない方が修理出しやすいですよ。」
「そうだな・・・。」
木村は言った。しかし、丹沢の話を聞いて、神宮寺は黙っていられなかった。
「おい、丹沢。このままにしておくって、今日、これからどうするんだよっ。」
「そんなのわかってるよ。だから、とりあえず仮で直しておくよ。」
「おいおい、今、修理しづらいからって言ったばかりだろう?」
木村は聞いた。
「だから、修理が容易なように仮で使えるようにするんですよ。まぁ、格好は悪いですけどね・・・。」
丹沢には考えがあるようだ。クスリと笑い、それからそう言った。
「神宮寺、ちょっとここで待っててくれよ。木村さん、研究室開いてます?」
「あぁ、開いてるぞ。じゃ、ちょっと直してきますね。」
丹沢は研究室に走っていった。
「ほら、これで少しはいいだろ?」
ものの五分もしないうちに、丹沢は戻ってきた。そしてメガネを神宮寺に手渡した。
「ありがとう・・・。」
メガネをかけてみた。少しいつもと視界が違った。神宮寺はメガネをはずし確認した。
「なんだ、これ・・・。」
メガネのレンズは真空パックにされ、その両端をセロテープで留めてあった。けっしてフレームにはめられているわけではない。そのせいで微妙に視点が変わり、神宮寺は違和感を感じたのだ。
「とりあえず、それでだいたいわかるだろ?文句言うな。」
「確かにだいたいわかるけどさ。もう少し格好良くできなかったのか?」