モザイク
震える世界
カナは俯いたまま、何も出来なかった。両手で顔を覆い、泣くしかなかった。
チロルはそんなカナに向かって激しく吠えた。
「ど、どうしたの、チロル?」
涙で滲んで、ある変化に気がつかない。そのせいか、チロルは吠えるのを止めない。
「なんなのよ。」
掌で涙を拭き、チロルを見た。すると、どうだろう。チロルの背後がモザイクに変わっているではないか。
「えっ・・・。」
突然の変化に思考がついていかない。チロルはなおも吠え続ける。それがカナの思考を、徐々にではあるが元に戻しはじめた。
「どうしよう、逃げなきゃ。チロル、逃げなきゃ。」
気持ちは逃げたいと思っている。しかし体が動かない。恐怖で足が震え、動けない。見かねたチロルが、カナの靴下をくわえ引っ張った。
「チロル、わかってるよ。でもね、足が動かないの・・・。それにお父さんも呼びにいかなきゃ。」
自分の太股を押さえ、震えを堪えようとするが出来ない。小刻みに震え続ける。
「止まって・・・。」
願った。
チロルはそんなカナに向かって激しく吠えた。
「ど、どうしたの、チロル?」
涙で滲んで、ある変化に気がつかない。そのせいか、チロルは吠えるのを止めない。
「なんなのよ。」
掌で涙を拭き、チロルを見た。すると、どうだろう。チロルの背後がモザイクに変わっているではないか。
「えっ・・・。」
突然の変化に思考がついていかない。チロルはなおも吠え続ける。それがカナの思考を、徐々にではあるが元に戻しはじめた。
「どうしよう、逃げなきゃ。チロル、逃げなきゃ。」
気持ちは逃げたいと思っている。しかし体が動かない。恐怖で足が震え、動けない。見かねたチロルが、カナの靴下をくわえ引っ張った。
「チロル、わかってるよ。でもね、足が動かないの・・・。それにお父さんも呼びにいかなきゃ。」
自分の太股を押さえ、震えを堪えようとするが出来ない。小刻みに震え続ける。
「止まって・・・。」
願った。