好きだと言いたい
「あれ?サエじゃん」
「あはっ久し振り♪」
「おぉ、元気だったか?」
「まぁね〜弘樹こそ元気そうじゃ〜ん」
そう笑って俺の腕をバシバシ叩く。
サエは俺が高1の時に少し付き合っていた元カノ。
「いてぇよ、ジュース溢すだろ」
「てか誰と来てんの?」
サエの質問に少し困った。
兄貴の彼女だと普通に言えばいいのに、素直にそう言いたくない自分が邪魔して曖昧に笑ってごまかした。
「サエこそ誰と来てんだよ?」
「友達だよ〜それより弘樹また今度遊ぼうよ〜♪」
上目使いで甘えた声を出しながら俺に腕を絡ませてくる。
「相変わらずだなお前」
少し苦笑いでサエを見下ろす。
「弘樹こそ相変わらずカッコイイよ。付き合った中で断トツで1番だよ♪」
「はいはい、分かったから離れろ」
サエの腕を軽く振りほどくと「えぇ〜」と不満気な声をもらされる。