好きだと言いたい
あぁ、なんだそうゆう事か…
だよな。彩花さんにとってやっぱり俺は弟なんだよな。
決して男とは認識してくれない。
「そっか…ははっ…」
急速に冷めていく。
一瞬でも夢見た自分が酷く虚しい。
弟…分かってはいたが、実際にハッキリ言われたのは初めてだった。
「はははっ…そうだよなぁ…」
残酷な現実に俺の心は砕け散ってしまうんじゃないかと思った。
「弘樹…?」
情けないくらい乾いた笑いしか出ない俺を彩花さんが訝しげに見上げる。
「あぁ、ごめん。何でもないよ…早く帰ろうか彩花さん」
「あ…うん」