好きだと言いたい
『今度は月に祈ろうか
ほら今夜はフルムーン
僕と君の未来を明るく照らして…』
未来か…
俺と彩花さんに未来なんてない。
だけどせめて祈ろう…
別々の未来でも彩花さんが笑っていられますように。
幸せでありますように…。
「彩花さん…好きです」
気付けばそう口にしていた。
ずっと言いたくて言えなかった俺の気持ち…
告げた瞬間、彩花さんが目を見開いて驚いてるのが分かった。
「困らせるつもりはないよ…ただ気持ちを伝えたかっただけなんだ」
「弘樹…」
何だか泣きそうになった気持ちをグッとこらえた。