belief
たったったっ
「はぁはぁはぁ………。」
走り疲れたあたしは、もう明るみのほとんど無くなった空を見上げた。
一呼吸置いて声の無い道を歩き出した。
星だけはあたしから見えるけど、遠すぎる。
―――――――――――――――――
「ただいま〜。」
「おかえりなさい。遅かったわね。」
「うん、ちょっと夢中になってたの。へへ。」
「そう。ふふふ。でも気を付けるのよ。」
―――お母さんにもほんとのことは、言えない。
明日は鬼にならないかも知れない。
何より、遊びに出なくなりたくない。
あたしが我慢してれば何も起きないから。
ほんとのことは、言わない。