belief
「あ、言うの忘れてたけど、ミクがこの建物に入る時は外の時間はほとんど進まないから。」
―――時間が進まない?どういうこと!?
「進まないって?」
「完全に止まる訳じゃないんだけど…簡単に言うと、この建物内での24時間は外での24秒なんだ。」
「うん?」
「例えば、」
コウタは自分の耳のあたりに手を触れながら説明した。
「ミクが午後4時ちょうどにこの建物に入り、24時間中で過ごすとする。そして24時間後に外に出ると、時刻は4時24秒、ということなんだ。」
「じゃあまだあたしが来てから外では数秒しか経ってないってこと!?」
「そうだ。だから親に心配かけることもないし、不審に思われることもないんだ。」
「ふーん。なんか不思議だね。」
あたしはふぁーっと伸びをした。