妖士(ようし)
陽妃の表情は切なげで、しかし微笑んでいた。
「いつもいつも政行様の心は琉妃様に向けられていた。琉妃様がいなくなってからも・・・」
麗貴妃は義母の顔を黙って見つめた。
何と声をかけたらいいか分からなかった。
「琉妃様は今は敵方なのに、それなのに、今も変わらずに愛されているのよ、あの人は。」
「義母上様・・・」
陽妃はごめんなさいと笑むとただ静かに手を合わせ、祈りはじめた。
麗貴妃も神々の像に向き直り戦場の疾風を想った。
どうか・・・
妖士族の守護神よ・・・
彼らをお守りください・・・
どうか・・・
女はただひたすら祈るだけ。
織り姫はそんな二人を見つめながら戦っている主と仲間達の無事を願った。
「いつもいつも政行様の心は琉妃様に向けられていた。琉妃様がいなくなってからも・・・」
麗貴妃は義母の顔を黙って見つめた。
何と声をかけたらいいか分からなかった。
「琉妃様は今は敵方なのに、それなのに、今も変わらずに愛されているのよ、あの人は。」
「義母上様・・・」
陽妃はごめんなさいと笑むとただ静かに手を合わせ、祈りはじめた。
麗貴妃も神々の像に向き直り戦場の疾風を想った。
どうか・・・
妖士族の守護神よ・・・
彼らをお守りください・・・
どうか・・・
女はただひたすら祈るだけ。
織り姫はそんな二人を見つめながら戦っている主と仲間達の無事を願った。