妖士(ようし)
「何のご用ですか?」

うむ。と頷いた政行は傍らの何も無いはずの空間へ眼をやった。

「織り姫。説明してくれ」
その声に答えてさっと姿を現したのは異国の衣装に身をつつむ美しい女性だった。

「はい。政行様。」

彼女は政行の使役する式神の一人だった。
式神は四人いる。

春を司る神 織り姫
夏を司る神 竜
秋を司る神 凍(ひょう)
冬を司る神 幸(みゆき)
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