妖士(ようし)
「疾風様も葵の上を愛したのでしょうね・・・」

「初姫?葵姫を知ってるの?」

「えぇ。私の従姉姫です。とても美しい方ですもの。疾風様が心惹かれるのも当たり前ね。」


ぽかんと口を開いていた幸は笑い出した。

「そんな訳無いでしょう!疾風はあんな女大嫌いなのよ?あいつ初姫に一目惚れしちゃったんだから。」


嘘でしょう?
あんな素敵な姫君なんかよりも私の方がいいなんて。
「あいつの態度を見てれば分かるわ。」


< 65 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop