妖士(ようし)
「今日・・・疾風に会ったの・・・」

妻の言葉にそうかと頷いた。

「あんなに大きくなったのね・・・奥さんまで迎えて・・・」

「あの子は気づいていたか?」

お前が母だと・・・と続けようとして琉妃に遮られた。
「私だと?まさか、式神達も気付かなかったわ。あの子がこのペンダントをしていたから私だって気付けたのよ。」

緑の石を手にとり言った。
これは、琉妃の母の形見だった。母が疾風を守ってくれるようにと、一つをあげたのだ。


< 97 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop