妖士(ようし)
「都で起きている妖怪騒動はお前の仕業か?」
政行は静かに尋ねた。
「・・・そうだといったら?」
琉妃は目を煌めかせ言った。
「疾風を傷付ける勇気がお前にあるか・・・?」
妻を見据えてあくまでもたんたんと言う夫に琉妃は弱々しく呟いた。
「ないわ・・・わが子を傷付けるなんてできない・・・」
「まだ帝を怨んでいるのか?もう五百年も前のことだ。朝廷とて覚えてはいまい。」
琉妃の・・・瑛姫の目に苛烈な炎が燃え上がった。
「たとえそうだとしても、我が一族を滅ぼしたのは事実よ。」
瑛姫は口を切り、目を細めた。
「あの子が帰ってきたようね。真っ先にここへ向かって来るわ。」
立ち上がろうとした妻の腕を政行が掴んだ。
「瑛子・・・」
瑛姫は一瞬目を閉じ、政行の腕に身をゆだねそうになった。
政行は静かに尋ねた。
「・・・そうだといったら?」
琉妃は目を煌めかせ言った。
「疾風を傷付ける勇気がお前にあるか・・・?」
妻を見据えてあくまでもたんたんと言う夫に琉妃は弱々しく呟いた。
「ないわ・・・わが子を傷付けるなんてできない・・・」
「まだ帝を怨んでいるのか?もう五百年も前のことだ。朝廷とて覚えてはいまい。」
琉妃の・・・瑛姫の目に苛烈な炎が燃え上がった。
「たとえそうだとしても、我が一族を滅ぼしたのは事実よ。」
瑛姫は口を切り、目を細めた。
「あの子が帰ってきたようね。真っ先にここへ向かって来るわ。」
立ち上がろうとした妻の腕を政行が掴んだ。
「瑛子・・・」
瑛姫は一瞬目を閉じ、政行の腕に身をゆだねそうになった。